という根本的な問いから、
といった、歴史に関する疑問にまで答えてくれるのが、
風間孝さん、河口和也さん共著の「同性愛と異性愛」という一冊。
全部で200ページの新書なので、比較的薄い本なのですが、ハーゲンダッツのように濃厚な味わいの一冊です。
このページでは、具体的に、「同性愛と異性愛」という本の、どういったところが面白いのか、ご紹介します!
「同性愛と異性愛」に書かれている内容
「同性愛と異性愛」には、
・海外における同性愛の歴史(犯罪化と病理化や、解放運動について)
・この世界は、異性愛主義だよねって話
・性的マイノリティってそもそも何なの?って話
・カミングアウト、コミュニティの話
などなど、盛りだくさんな話が詰め込まれています。
そして中でも、80年代以降の日本で起こった、
この2つに関しては、ページを割いて、とても詳しく書かれています。
「同性愛と異性愛」の、何が面白いか
この本の面白さは、なんといっても、上で2点あげた、日本における同性愛の歴史。
私は、特に「都立府中青年の家」裁判に関しての話は、のめり込むように読んでしまいました。
「都立府中青年の家」裁判
「都立府中青年の家」裁判は、かなり詳しく書かれています。
この裁判は、同性愛者団体が、「都立府中青年の家」の利用拒否を受けて、1991年に東京都に対して起こした裁判です。
で、なんと、著者の風間孝さん、河口和也さんの2人ともが、実際に現場にいた方なんですね。
それもあってか、臨場感がすごい。
同性愛者団体と東京都とのせめぎ合いに、引き込まれます。
詳しくはぜひ本書を読んでもらいたいのですが、私が面白いなと思ったポイントは、東京都側の主張の内容。
これが、今だったから、到底受け入れられないような内容なんです。
たかだか30年前には、行政がこんな発言をしていたのかと、正直驚いてしまいます。
もはや、ちょっと笑えてくるレベル。
こういう事実を知ると、
maLuco
って思っちゃいます。
社会というものは、末恐ろしい。。
ちなみに、裁判は、最終的に同性愛者団体が勝ちます。スカッとします。
昔、日本は同性愛に寛容だった?
また、そこからさらに江戸時代に遡って、よくある「同性愛は寛容だった」というのは、本当なのか?と言う話にも触れています。
確かに、男色というものはあったけれど、そもそも、男色=同性愛とはならないよねって話とか、
男色は100%野放しにされていたわけではなく、男色を取り締まる「鶏姦罪」っていうのがあったんだよって話とか。
結局日本においても、私たちがイメージしてる「寛容な感じ」ってのはあんまりなかったんじゃないかなー。
maLuco
海外での同性愛の歴史も学べる
さて、この本では、さらに、アメリカ、ヨーロッパなどにおける、海外の「同性愛」の歴史も、俯瞰的に知ることができる内容になっているのですが、これもとても面白い!
著者は言います。自らを「同性愛者」と意識する人が、ヨーロッパやアメリカで誕生したのは、たかだか百数十年前からの話なんだよって。
でも、その間に本当に色々な出来事が起こっていて、同性愛者は、悲しいくらい翻弄されて生きている。
日本でも、海外でも。
本当に、人間というものは、生まれた時代によって、大きく生き方を変えられてしまう存在なんですよね。
ちょっと、読んでるうちに、やりきれない気持ちになってきます。。
でも、だからこそ、社会に振り回されない考え方を身につける必要があるなと、気がつかせてくれます。
maLuco
「同性愛と異性愛」で、面白かったものをピックアップ
最後に、「同性愛と異性愛」を読んで、印象深かったものを、2つご紹介します。
レズビアンという呼び名が生まれた理由
私、「なんで、わざわざレズビアンって呼び名を作ったんだろう?女の同性愛者も「ゲイ」でいいじゃん、謎だなー」って思ってたのですが、理由が分かりました。
まず、そもそも最初に使われていたのは、「ホモセクシャリティ」という呼び名。
でもこの呼び名は、病的なイメージがついてしまったので、
アメリカでは、男性同性愛者を「ゲイ・メン」、女性同性愛者を「ゲイ・ウィメン」と呼ぶようになりました。
でも、
という声があり、別の「レズビアン」という呼び名が使われるようになった、と!
背景には、「男女格差」があったということを、初めて知りました。
なぜ「同性愛者であるということ」は、すぐセックスと結びつけられるのか?
もう一個、印象的だったのは、
「何で、同性愛はすぐ”セックス”と結びつけられちゃうのか」って話。
あなたが同性愛者だったら、友達とかにカミングアウトした時、どうやってセックスするの?って聞かれた経験、あるんじゃないでしょうか。
本当これ、失礼な質問ですよね。。
なぜなら、もし異性愛者だったら、こんな質問されないわけで。
同性愛が、性的なものと結びつけられちゃうのって、ホント不思議なこと。
で、著者の考える理由に、私はなるほどなーって思わされました。
それは、
・同性愛者のライフスタイルが見えないから、その要素が抜けてしまう。
という理由。
確かに確かに!って感じです。
同性愛というものが「見える化」されてないことが、原因ということですよね。
そう考えると、ふつーに生きてる同性愛者の姿を、どんどん見せていくことは、自分たちにも結構大事なことなんだな〜って思いました。
「同性愛と異性愛」まとめ
はい、ということで、以上、「同性愛と異性愛」という本について、面白いポイントなどご紹介してきました。
ちょっと、かいつまんだ話になっちゃいましたが、
歴史も学べて、同性愛って何なのかっていう根本的な部分も考えさせられて、かなり勉強になる本です!
そういったものを一回学んでみたい方には、この濃密な一冊、オススメです。
本が読み放題「kindle unlimited」
和書12万冊、洋書120万冊以上の本が、月額980円で読み放題。
1冊読むだけで元が取れるので、私も利用してます。
使い始めると、「読まないともったいない…!」という心理が働くので、新たに読書習慣を身につけたい人にもいいかも。
初めての方は、30日間無料で試せます。
→Kindle Unlimited
耳から気楽にインプット「audible」
オーディオブックって、使ったことありますか?
本は、もはや「読む」だけじゃなく、「聴く」こともできる時代です。
ヘッドホンで再生するだけなので、通勤中や、家事をする時間など、あらゆるスキマ時間での読書が可能に。
Amazonのサービス「audible」なら、月額1,500円で、40万タイトル以上。私は、英語学習に利用してます。
初めての方は、30日間無料で試せます。
→audible