もし、あなたが、
そんな風に悩んでいたなら、是非この本を読んでみてください。
こちら、牧村 朝子さんの著書。
ずばりタイトルは、
『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』
私は、この本を読んで、何度も目からウロコが落ちました。
私が『同性愛は「病気」なの?』という本を、読んだ理由
私は、いわゆる同性愛者です。
自分が同性愛者であることを、私は100%受け入れてますが、「なんで、私は同性愛者なんだろ?」って、考えることもあります。
「よし、今日からレズビアンになろ〜」って選択した記憶は、そもそもなくて、「あ、私は女の人が好きなんだ」って、人生のある地点で気がついた、ただそれだけです。
なので、「生まれつき」同性愛者なんだろうなって、考えてました。
maLuco
で、現実問題、いわゆる同性愛の「原因」ってものは、2018年現在、まだハッキリとは解明されてないみたいですね。
でも、科学の進歩とともに、いずれハッキリとした答えが出るんじゃないかぁ、なんて私は考えてました。
そして、この本を手に取った理由は、とりあえず現段階で、どれくらい解明されてるのか知りたかったから。
この本にはそういった内容のことが書かれてるかも、って思ったからです。
でもでも、
この本を読んで知ったんです。
私、そもそも「前提」が間違ってたということに。
この本が、「同性愛」という言葉は、もしかしたら存在すらしなかったと教えてくれた
「同性愛」と、「異性愛」というカテゴライズ。
このカテゴライズに対して、私は何も疑問を持ってませんでした。
同性を愛する人は、同性愛者で、
異性を愛する人は、異性愛者。
でも、牧村さんは言うんです。
「この分け方って「絶対」ではないわよね?」と。
例えば、こういう分け方だって、できるわよね、と。
女を愛する人は、女性愛者で、
男を愛する人は、男性愛者。
た、た、確かに…!
私は、女性を愛するので、「女性愛者」とも言えるのか。。
つまり、いわゆるストレート男性と、同じグループに入るってことですね。
先ほどの「同性愛者」「異性愛者」という分け方は、本人の「性別」が起点になってますが、こっちの分け方では、本人の性別は関係ありません。
ただ単純に、男性と女性、どちらを好きになるか、というだけです。
これには、かなりハッとさせられました。
だって、これってつまり、見方によっては、自分は少数派ではないってことですよね。
ということは、「自分は何で同性愛者なんだろう?」って考える必要なんて、そもそもなかったってことですよね…!
maLuco
でも、よくよく考えたら、本当その通りですよね。もともと、人間は、一人一人違う存在なわけで。
カテゴリーなんて、所詮、後から人がつけただけのもの。
結局、「私は、私」、それだけなんです。
「同性愛者」「異性愛者」なんていうカテゴライズをしてしまうから、少数派が生まれて、「同性愛者は病気だ」なんて話になって、苦しんだり悩む人が出てきてしまうんですね。
この本は、同性愛という言葉がなぜ生まれたか、ということも教えてくれる
でも、そしたら、なんで「同性愛者」「異性愛者」というカテゴライズが出てきたんでしょう?
別にイジワルで、このカテゴリーが生まれたわけじゃありません。
むしろ逆で、同性愛者に対する差別と闘うために、生み出された言葉です。
1868年5月6日、カーロイ・マリア・ケルトベニという人が、カール・ハインリヒ・ウルリヒスという人に宛てた手紙の中に、初めて「同性愛者」という言葉が出てきます。
どんな背景でその手紙の中に、その単語が出てきたのか、、
ケルベルトやウルリヒスって人は、一体何者なのか、、
続きはぜひ、本書を手にとって読んでみてください。
この本では、これまで述べてきた「同性愛っていうカテゴリーは絶対じゃないよ」って話だけでなく、
・どうして、同性愛=病気として扱われるようになってしまったのか
・同性愛者が、これまでどういった迫害を受けてきたか
・同性愛者かどうか診断するための、数々の奇妙な診断法
・同性愛への差別や迫害に対して、立ち向かってきた人々の姿
こういったことが書かれています。
むしろ、こういったことがメインかな。
maLuco
知らなかったこと多すぎて、めちゃくちゃ面白いです。
『同性愛は病気なの?』は、たくさんの気づきをくれる本
この本は、「あー私はなんで、同性しか好きにならないんだ…」「オカシイのかな?」と悩んでる人には特に、大きなインパクトを与えてくれるものでしょう。
そして、私のように、同性愛者であることに対して特に悩んでない人にとっても、たくさんの気づきを与えてくれるはず。
最後に、一つだけ。
「同性愛者」「異性愛者」というカテゴライズは、100%悪いもの、というわけではありません。
カテゴライズによって、人々は仲間を見つけ、連帯感を感じ、希望を持ちます。
私は、「同性愛者」というカテゴリーが会ったから、色々な人に出会えたと思っているので、このカテゴリーの存在に感謝すらしています。
ただ、そのカテゴリーに、がんじがらめに縛られる必要なんて全くない、ってことです。
「なんで私は同性愛者なんだろう」って、頭を抱える必要はありません!
いろんなことを考える、きっかけを与えてくれる、本書。
ぜひぜひ読んでみてくださいね。