とあるCDショップで、ポップに書かれていた「両性具有者」という単語を見て、試聴機のヘッドホンを取りました。
その頃の私は、確かまだ10代。
ヘッドホンから流れだしたその歌声に、鳥肌が立つような感覚を覚えました。
まるで全てを包み込んでくれるかのごとく、響く声。
まだ揺らいでいたセクシャルマイノリティとしての自分を、大きな“何か”で包み込んでくれるかのように感じたんです。
これが、その一曲目。
Antony and The Johnsons『Hope There’s Someone』
衝撃的でした。
この歌声にも、両性具有者のアーティストがいることにも。
それから私は数えきれないくらい、Antony and the Johnsonsの音楽を聴いています。
アルバムは4枚程出ていますが、2005年に発売された、『I am a bird Now』が一番好き。
このアルバムは、マーキュリー賞(英国もしくはアイルランドで、毎年最も優れたアルバムに対して送られる音楽賞)を受賞している作品。
そんな『I am a bird Now』の中の一曲、「Fistful Of Love」の歌詞を紹介しましょう。
Antony and the Johnsonsが歌う、美しい一曲
私は昨夜、ベッドに横になりながら、
星でいっぱいの天井をじっと見つめてた。
突然思ったの、
私の気持ちを、あなたに伝えなきゃって。
私達は、「時の写真」の中で共に暮らすの。
あなたの目を覗き込むと、海が私に向かって来るように見える。
私はあなたに伝えるわ、
愛してる、いつもいつまでもって。
だけど分かってる、あなたは私にそんなこと言えない。
あなたは私に、愛してるなんて言えない。
私は置き去りにされて、
あなたの愛情の小さなシンボル、ヒントを見つけようとしている。
私は置き去りにされて、
あなたの愛情の小さなシンボル、ヒントを見つけようとしている。
あなたの拳を感じる。
分かってる、愛ゆえによね。
鞭を感じる。
分かってる、愛ゆえによね。
あなたの焼けるように熱い目が、私の心に穴をあけるのを感じるわ。
愛ゆえに。
愛故に。
喜んで受け入れるわよ、
あなたの愛情の思い出を、自分の体の中から見つけるの。
喜んで受け入れるわよ、
あなたの愛情の思い出を、自分の体の中から見つけるの。
あなたの拳を感じる。
分かってる、愛ゆえによね。
むちを感じる。
分かってる、愛ゆえによね。
あなたの焼けるうに熱い目が、私の心に穴をあけるのを感じるわ。
愛ゆえに。
愛故に。
Bird Gerhl /Antony and the Johnsons
最後にもう一曲だけ。
この曲はアルバム『I am a bird Now』のラストを飾る曲。
幻想的な映像も美しいので、この曲はMVのものを載せておきます。
発売から10年経っても色あせない名盤。
特にセクシャルマイノリティである人間は、心揺さぶられるであろう一枚!
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