2015年、喜ばしいニュースが全国を巡りました。
あの日の高揚感、今でも覚えています。
そう、それは渋谷区の「同性パートナーシップ制度」がついに始まるというニュース。
一つの自治体から始まった、この同性パートナーシップ制度は、他の自治体にも次々と広がり、その数は今後も増え続けていく気配があります。
では、そもそも、なぜこういった制度が導入されたのでしょうか?
日本で同性パートナーシップ制度が導入された理由
答えはいたって単純、同性カップルは「結婚」ができないから。
これに尽きます。
同性カップルが結婚できない、この現状には、とても大きな問題があります。
それにも関わらず、国レベルでは、改善の動きがなかなか見られません。
そこで「自治体レベル」から、少しでも改善していこう、というのが同性パートナーシップ制度の始まりです。
同性パートナーシップ制度の背景を知るには、この「日本では同性婚ができない」という問題を、まずは考える必要があります。
では、実際にどんな問題があるのでしょうか?
同性婚ができないということには、2つの問題がある
①同性間で結婚できないということは、人権の侵害
同性婚の話になると、
こういった意見を、言う人がいます。
確かに「結婚する」「結婚しない」は、自由です。
しかし問題なのは、同性愛者には「結婚する」「結婚しない」の選択肢が、そもそも「与えられていない」ということ。
これは、「人権」の問題といっても、過言ではありません。
だからこそ、諸外国では、「人間として与えられるべき権利が、与えられてない、、これはまずいことだ」ということで、法律が変えられていっているんです。
maLuco
ご存知の方も多いと思いますが、50年ほど前までは、女性は選挙で投票する権利が与えられていませんでした。
コレって今考えると、本当ありえないですよね。。
例えば、選挙の日に投票所に行って、
って言われたら、
って、今の時代であれば誰もが呆然としてしまうと思います。
そして、人権が大きく侵害されている、と感じるはずです。
婚姻届を出そうと区役所に行って、
って言われることは、これと同じこと、と考えてもおかしくはありません。
そう考えると、同性婚ができないということは、人権の侵害ということが理解できるのではないでしょうか。
憲法13条では、全ての国民の自由や幸福を追求する権利は尊重される必要がある、と定められています。
本来、誰と結婚するかどうかの自由は、侵害されるべきものではないのです。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
②同性間で結婚できないということは、実際の生活面で困ることが多い
そして、同性婚ができないということは、人権侵害という面だけではありません。
法律上のパートナーになれないことによって、例えば、
できないこと
- 賃貸物件を借りるときに、借りることができない
- パートナーが事故や病気で入院することになっても、面会できない
- 遺言を作らなければ共に築き上げた財産であっても、相手名義であれば、その財産は1円も受け取ることができない
といった、生活を送る上での問題が、起こりえます。
もちろん、同性カップルが直面している問題の中には、偏見によって引き起こされている問題もあるので、法律上配偶者として認められたからといって、全ての問題が解決するとは限りません。
しかし、法律上配偶者として認めることによって解決する問題が多いのも、事実です。
同性カップルに対して、最初に動き出した自治体
以上のように、同性婚ができないということには、
②実際の生活面で困っているということ
この、2つの問題があります。
同性同士のカップルは、マイノリティではあるものの、その数は決して少なくありません。
なので、これらの問題は、本来軽視されるべき問題ではないのです。
ということで、地方自治体が、少しでも同性カップルの力になろうと、国よりも先に動き出しました。
同性パートナーシップ制度なんて、大した効果もないし意味ないよ、と考えている人もいると思いますが、背景を考えると、実に重要な一歩だということが分かります。
そんな重要な一歩を踏み出している自治体は、2018年4月現在で、以下の7つ。
・世田谷区(東京都)
・伊賀市(三重県)
・宝塚市(兵庫県)
・那覇市(沖縄県)
・札幌市(北海道)
・福岡市(福岡県)
これからも、このリストは増えて行くことでしょう。
そして、こういった自治体の動きによって、今後もっと「大きな枠組み」で広がって行くことも、期待できるのではないでしょうか。
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