こんな風に、二丁目の歴史や背景が気になったこと、ありませんか?
新宿二丁目に足繁く通う人であっても、こういった事を知っている人って、意外と少ないかもしれません。
私も、あんまり詳しく知らなかったのですが、この本↓を読んで、二丁目について色々と学ぶことができました。
ということで、新宿二丁目の歴史や背景を、ご紹介していきます!
目次
新宿は、「性」のスポットから「都心」へとレベルアップした街
まず、新宿二丁目の歴史を知るには、「新宿」の歴史を知る必要があります。
始まりは、1699年。
現在の新宿辺りのエリアで、高松喜兵衛という人が、「内藤新宿」という宿場を作りました。
当時の宿場には、当然のごとく、遊女(売春婦)がいました。イヤな話ですが。。
そんな「内藤新宿」は、遊びのスポットとして大きく発展していったそうです。
1920年には、区域変更の中で、「内藤新宿」から「新宿」に名称変更。
今からちょうど、100年くらい前の話ですね。
昔からパワフルな街だったみたいで、1923年の関東大震災からもすぐ復活し、闇市で活気を取り戻します。
そして、1958年には、首都圏整備計画というものによって、「副都心」にレベルアップ。
そこから、
・都庁の移転
・交通の要としての機能
といった事柄によって、「副都心」から、「都心」にまでレベルアップします。
こういった流れで、新宿という街は、いわゆる女遊びスポットから、都心へと、見事に変貌してきたのです。
で、もともと、新宿の中心を担っていたのは、新宿二丁目付近のエリアだったのですが、
「新宿駅」という新しい中心エリアができてしまい、新宿二丁目付近のエリアは、中心地じゃなくなってしまいました。
新宿二丁目エリアに、ゲイバーが集まった理由
ではなんで、中心地でもなくなってしまった、新宿二丁目にわざわざゲイバーが集まってきたのか?
まず、1918年、警視庁令による、遊女屋の「メインストリートから二丁目への大移動」がありました。
女遊びスポットは、新宿の端っこに、強制的に追いやられたんですね。
そうして、新宿二丁目付近のエリアは、しばらく新宿の「性」の部分を担うことになります。
しかし、1958年の「売春防止法」によって、多くの遊女屋は姿を消すことになりました。
そして、二丁目はガラ空きに。
ガラ空きエリアは家賃が下がったこともあって、それまで新宿三丁目付近にあったゲイバーが、二丁目へと移って行きました。
戦災復興計画により、もともとゲイバーがあったエリアから、立ち退かなければならなかった、という背景もあります。
これが、ゲイバーが二丁目に集まり始めたきっかけです。
「イプセン」「蘭屋」といったゲイバーがゲイバー街を引っ張っていき、
1971年には既に、64件ものゲイバーが集まったそうです。
でもこれだけでは、今ほどの巨大なゲイタウンを作り上げることはできません。
二丁目をゲイタウンとして作り上げた、二つの背景も見ていきましょう。
新宿二丁目がゲイタウンとして発展した背景
新宿は、アジール的な役割も担っていた。
新宿は、もともと時の流れから外れてしまったような、そういった人たちが集まった街でした。
つまり、はみ出し者の街。
新宿は、そういった人たちを受け入れる性質がある街だったんです。
なので、身を隠そうとするゲイたちが、新宿に集まったのは、当然の流れだったのかもしれません。
ゲイ達は、遊女屋が消えてガラガラに空いた街に、いわゆる「ゲットー」のような空間を作りあげたわけです。
新宿二丁目の物理的な優位性
さらに、新宿二丁目がゲイタウンとして作られていった背景には、物理的な事柄も大きく関係しています。
新宿二丁目のエリアは、ちょうど良い具合に、「壁」に囲われたエリアでした。
「壁」というのは、都電と、太宗寺と成覚寺という二つの寺。
こういった壁が存在したことによって、一つの区画としてまとまりやすかったんです。
上野や浅草にもゲイバーは多いのに、新宿二丁目のような「ゲイタウン」になってない理由は、こういった物理的な「壁」のようなものがないからなんですね。
以上のように、いくつもの要因が重なって、新宿二丁目は、ゲイタウンとして作り上げられてきました。
新宿二丁目の今後
ゲイタウンが作られてきた背景には、法律や都市計画があったこと話してきましたが、これは反面、今後、新しい法律や都市計画などによって、新宿二丁目が変わってしまう可能性もあるということになります。
新宿二丁目がなくなってしまう、という可能性すらあるわけです。
悲しすぎますね。。
ということで、二丁目を守っていきたいなら、二丁目に積極的に行きましょう!
そしてガンガンお金を落としましょう!笑
二丁目が廃れてしまったら、簡単に倒されてしまうかもしれない。。
新宿二丁目の文化人類学: ゲイ・コミュニティから都市をまなざす
今回参考にさせていただいたのが、こちらの本「新宿二丁目の文化人類学: ゲイ・コミュニティから都市をまなざす」
博士論文を元にしている本なので、結構分厚く、読むのに時間がかかるかもしれませんが、新宿2丁目という街に興味がある人は、ぜひ手にとって読んでみてださい。
二丁目の歴史や背景を、さらに詳しく学べます。