2020年、東京でオリンピックが開催されます。
こんな話を聞きますが、これって理由は何でしょう?
何がヤバいんでしょうか?
2020年までに、日本が変わらないとヤバい理由
・国側で改善しないといけないこと
・企業側で改善しないといけないこと
2つの理由があります。
まずは企業側から、見ていきましょう。
企業側がLGBT対策しないとまずい理由
いきなりですが、オリンピックにおける、「調達コード」ってご存知ですか?
私は知りませんでした。
どうやら、オリンピックには、開催のために必要となるモノや食料を用意するにあたって、「こういう企業から買おうね」っていう、ガイドラインがあるみたいなんです。
そのガイドラインが「調達コード」ってやつです。
「調達コード」には、こんなルールが書かれています。
組織委員会は、人権の尊重を重視する。そのため、サプライヤー及びライセンシーに対し、製造・流通過程において、人種、国籍、宗教、性別、性的指向、障がいの有無等による差別やハラスメントが排除され、また、不法な強制立ち退き等の権利侵害の無い物品・サービス等を提供することを求める。
(引用元:オリンピック・パラリンピック競技大会 持続可能性に配慮した調達コード)
つまり、人種とか性別で差別行為をしている企業は、オリンピックに関わるべからズ!ってことです。
ここ数年、大手企業が積極的に、「LGBT施策」を進めているのには、こういう背景もあったのかな。
「オリンピックのために、LGBT向けの動きを見せなきゃアカン」って感じは、ちょっと何とも言えない感じあるけど、それでも私は動きがあるのは、イイことだと感じます。
今後も、LGBTフレンドリー企業、ますます増えていきそうですね〜。
はい、では次に、国側を見ていきましょう。
国(東京)側がLGBT対策しないとまずい理由
みなさんご存知の通り、日本は、まだまだLGBT後進国です。
同性パートナーシップ制度ができたり、ちょっとずつ前に進んではいるけれど。
LGBTに関しての「遅れてる」感は、まだまだありますよね。
この「遅れてる」ことの、何がまずいかっていうと、「オリンピック憲章」ってやつと関係します。
オリンピック憲章って、国際オリンピック委員会という組織が決めた、オリンピックに関する基準、条件みたいなもの。
そこの根本原則に、
6. このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、 国あるいは社会のルーツ、 財産、 出自やその他の身分などの理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない。
(引用元:オリンピック憲章)
こんな原則があるんですね。
この原則の中の「性的指向」って文言、2014年以降の憲章から盛り込まれました。
だから、「今まで日本で、何回もオリンピック開催してるやん。だから別に、変わんなくても大丈夫っしょ」…ってわけにはいかないんです。
改められた、オリンピックのめちゃくちゃ大事なルール、守らないとまずいです。
国として、状況を改善させないとまずいわけです。
ってことで開催地の東京都、動き始めてました。
「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案」を出しました。
早速、どんな内容なのか、見てみましょう。
LGBTに関する第2章を、抜粋しました↓
長めですが、ぜひ読んでみてくださいね。
第二章
多様な性の理解の推進(趣旨)
第三条
都は、性自認(自己の性別についての認識のことをいう。以下同じ。)及び性的指向(自己の恋愛又は性愛の対象となる性別についての指向のことをいう。以下同じ。)を理由とする不当な差別の解消(以下「差別解消」という。)並びに性自認及び性的指向に関する啓発等の推進を図るものとする。(性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの禁止)第四条
都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない。(都の責務)
第五条
都は、第三条に規定する差別解消並びに性自認及び性的指向に関する啓発等の推進を図るため、基本計画を定めるとともに、必要な取組を推進するものとする。
2 都は、前項の基本計画を定めるに当たっては、都民等から意見を聴くものとする。
3 都は、国及び区市町村が実施する差別解消並びに性自認及び性的指向に関する啓発等の取組について協力するものとする。(都民の責務)
第六条
都民は、都がこの条例に基づき実施する差別解消の取組の推進に協力するよう努めるものとする。(事業者の責務)
第七条
事業者は、その事業活動に関し、差別解消の取組を推進するとともに、都がこの条例に基づき実施する差別解消の取組の推進に協力するよう努めるものとする。
(引用元:東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案について)
いや〜長い。
つまりは、「性自認」や「性的指向」を理由にした差別を禁止しますよ、って話が書かれてますね。
まだ曖昧な感じですが、具体的なことは、これから決めるってことでしょう。
まさか、この条例出して終わりってことはないはず。
そうそう、そういえば、今回のオリンピックのキャッチフレーズに「Unity in Diversity」って文言があるのご存知ですか?
(引用元:東京2020大会広報メッセージについて)
「多様性」をこれだけ大きく発信してるわけです。
ますます動かないと、「言ってるだけやん」ってなっちゃいます!
これからどんな具体的な動きを見せるのか、注目していきましょう。
2020年までに日本が変わっていけない理由まとめ
以上、2020年のオリンピック開催までに、日本におけるLGBTの状況が変わってないとヤバい2つの理由として、「調達コード」と「オリンピック憲章」を見てきました。
ここまで、企業側と国側の話のみをしてきましたが、それだけではなくて、私たち「個人」もマインドセットを整えないといけません。
オリンピック開催時期って、実際すごい多くの人が日本に来ますよね。
東京オリンピックの来場者数は、1,000万人くらいになるだろうと言われています。
この1,000万人の中にも、LGBTの人、たくさんいます。
LGBTの割合を7%とすると、70万人くらいはLGBTの人です。
70万人って、例を挙げると、ちょうど島根県民の数くらい。
めちゃくちゃ多いです。
それだけ多くのLGBTの人が、2020年に日本に来ます。
みんな、せっかく楽しもうと思って来ているのに、LGBTであることで何らかの差別的な待遇を受けたら、、申し訳ない気持ちになります。。安心して、楽しんでもらいたい…!
なので、私たち国民一人一人の姿勢も、とても大事なのです。
ということで、最後にあの「おもてなし」動画を見て終わりにしましょう。
誰もが、気持ちよくオリンピックを楽しめますように!